2024年のプロ野球が開幕して1週間。様々な話題のうちの一つが「巨人、阿部監督の送りバント問題」です。
送りバント多用する阿部監督。ネット上ではそんな采配に対する批判の声も見られます。
セイバーメトリクスなど、データ分析が進んでいる現代野球。「送りバントは得点期待値が下がる」という話を聞いたことがある野球ファンも多いのではないでしょうか。
メジャーリーグでは強打者の大谷翔平選手や鈴木誠也選手が2番に置かれています。「強打者の前にバントのうまい打者を置く」という発想は過去のものになっているのです。
そんな中、時代に逆行するようにバントにこだわる阿部監督。
歯がゆい感情を抱くファンも多いはず。
阿部監督の真意を図るため、監督就任以降のインタビューの発言をまとめてみました
5番打者バント理論
阿部監督は開幕前のインタビューで以下のような発言をしています。
岡本の後ろには万能な選手を置きたい。
無死一二塁となった時にバントしたい。
佐々木が万能型なら5番に。
これと似た発言がもう一つ。
(5番打者について)
尚輝(吉川選手)でも面白いかなと思います。長打もあるし、足も速い。
中軸に坂本、岡本、オドーアだと無死一二塁になった時に困る。
1点、2点がほしいときに外国人にバントさせるのもどうかなと。何でもできる人を5番に置きたい。
阿部監督は「無死一二塁=送りバント」のように考えていることがうかがえます。
そのため出塁率が高い岡本の後ろにはバントができる打者を置きたい、ということなのでしょう。
しかし結果として開幕後は坂本選手を5番に置いていることから、5番打者にバントをさせるという考え方は薄まったのだと考えられます。
3番打者バント理論
こちらも開幕前の発言。
(3/11 開幕オーダーの三番について)
このまま行ったら門脇にする
(1、2番が)連打して3番に打たせるとなったら、小技をできるやつにバントをさせて4、5番で勝負。
やはり先ほどと同じように、一二塁の状況で送りバントをさせたい、という意図からの発言のようです。
また、この段階では5番打者に坂本選手を置く構想が固まってきており、坂本選手にバントさせるつもりはないという趣旨の発言もありました。
ただ、この「三番に門脇選手」という構想も開幕後に実現はしませんでした。
開幕戦の三番は梶谷選手で、門脇選手は二番に置かれました。
「三番門脇選手」は迫力に欠けるという意見も多かったため、開幕オーダーがこのような形になって安心したファンも多いのではないでしょうか。
大城の犠打失敗に「野球の神様が怒った」
4/2 中日戦後のインタビュー。
この日二度バント失敗の大城選手のプレーに対するコメント。
あれが全て。最後は野球の神様が怒ったな。
本人が一番悔しいだろうから、明日の本人の行動を俺は観察する.
昨シーズンリーグ最多タイの21犠打を決めた大城。そんな大城への期待があるからでしょうか、多少厳しい物言いにも感じられます。
しかしそもそもファンの間では強打者の大城選手にバントをさせること自体に疑問の声が上がっています。
12球団きっての「打てる捕手」である大城選手。果たして送りバントという作戦が本当に得点を増やすことにつながっているのか、というファンの意見も理解できますよね。
堀内元監督が苦言?「ちと堅実すぎやしないか」
最後に阿部監督のバントに関する堀内恒夫氏のコメントを紹介します。
(3/5 1-2で敗れたDeNA戦について)
最後に巨人のバント問題。いや、問題ってこともないけどさ。
丸が奇をてらって自らやったのであればいい。でも仮にサインであるとするならばちと堅実すぎやしないかと。
(中略~自身の経験について)
今で言うなら門脇や吉川がバントするのと主力がバントするのとでは意味合いが違うと思うよ。スタンドのお客さまは王さん、長嶋さんのバントを見たかっただろうか。
このように自身のブログでバント采配に疑問を呈しました。
堀内氏の時代は現代とは異なり、送りバントという戦術には何の疑問も持たれていませんでした。
そんな時代にプレーした堀内氏から見ても今の阿部監督のバント戦術には多少なり違和感を感じるようです。
特に、「スタンドのお客さまは王さん、長嶋さんのバントを見たかっただろうか。」という言葉にはハッとさせられるのではないでしょうか。
送りバントは得点期待値が低くなる、といった戦術的な問題だけでなく「野球のエンターテインメント性を低下させてしまう」というような問題があることも確かなのではないでしょうか。
まとめ
以上、阿部監督のバント采配に関する発言まとめでした。
まだまだシーズンは始まったばかり。
これから阿部監督の戦術がどのような結果を導くのか。あるいは戦術を変えていくことはあるのか。
今後も注目ですね。